暴風(fēng)雨 寺田寅彥


暴風(fēng)雨(上)

寺田寅彥

(譯自青空文庫)

翻譯:王志鎬

始めてこの浜へ來たのは春も山吹の花が垣根に散る夕であった。浜へ汽船が著いても宿引きの人は來ぬ。獨(dú)り荷物をかついで魚臭い漁師町を通り抜け、教わった通り防波堤に沿うて二町ばかりの宿の裏門を、やっとくぐった時(shí)、朧おぼろの門脇に捨てた貝殻に、この山吹が亂れていた。翌朝見ると、山吹の垣の後ろは桑畑で、中に木蓮もくれんが二、三株美しく咲いていた。それも散って葉が茂って夏が來た。

第一次來到這海濱,是在一個(gè)春天的棣棠花散落在墻根的黃昏。汽船已靠岸,卻沒旅店的人來接客。我一個(gè)人扛著行李,穿過彌漫著魚腥氣的漁民小鎮(zhèn),沿著別人指點(diǎn)的防護(hù)堤大街,來到了只隔著兩條街的旅店后門,終于走進(jìn)那扇門,隱隱約約看見門的旁邊扔著舍棄的貝殼,棣棠花瓣散落其中。第二天早上一看,棣棠花墻后是桑田,其中有兩三株木蘭,開的花美麗無比,可是有些已經(jīng)凋謝,而葉子卻非常茂盛,夏天來了。

宿はもと料理屋であったのを、改めて宿屋にしたそうで、二階の大広間と云うのは土地不相応に大きいものである。自分は病気療養(yǎng)のためしばらく滯在する積つもりだから、階下の七番と札のついた小さい室を借りていた。ちょっとした庭を控えて、庭と桑畑との境の船板塀には、宿の三毛みけが來てよく晝眠ひるねをする。風(fēng)が吹けば塀外の柳が靡なびく。二階に客のない時(shí)は大広間の真中へ椅子を持出して、三十畳を一人で占領(lǐng)しながら海を見晴らす。右には染谷そめやの岬、左には野井のいの岬、沖には鴻島こうのしまが朝晩に変った色彩を見せる。三時(shí)頃からはもう漁船が帰り始める。黒潮に洗われるこの浦の波の色は濃く紺青こんじょうを染め出して、夕日にかがやく白帆と共に、強(qiáng)い生々いきいきとした眺めである。これは美しいが、夜の欸乃あいだいは侘しい。訳もなしに身に沁む。此処ここに來た當(dāng)座は耳に馴れぬ風(fēng)の夜の波音に目が醒めて、遠(yuǎn)く切れ/\に消え入る唄の聲を侘しがったが馴れれば苦にもならぬ。宿の者も心安くなってみれば商売気離れた親切もあって嬉しい。雨が降って浜へも出られぬ夜は、帳場の茶話に呼ばれて、時(shí)には宿泊人屆の一枚も手伝ってやる事もある。宿の主人は六十余りの女であった。晝は大抵沖へ釣りに出るので、店の事は料理人兼番頭の辰さんに一任しているらしい。沖から帰ると、獲物を焼いて三匹の貓に御馳走をしてやる。貓は三毛と黒と玉。夜中に婆さんが目を醒した時(shí)、一匹でも足りないと、家中を呼んで歩くため、客の迷惑する事も時(shí)にはある。この婆さんから色々の客の內(nèi)輪うちわの話も聞かされた。盜賊が紳商に化けて泊っていた時(shí)の話、県庁の役人が漁師と同腹になって不正を働いた一條など、大方はこんな話を問わず語りに話した。中には哀れな話もあった。數(shù)年前の夏、二階に泊っていた若い美しい人の妻の、肺で死んだ臨終のさまなど、小説などで読めば陳腐な事も、こうして聞けば涙が催される。浦の雨夜の茶話は今も心に殘っているが、それよりも、婆さんの潮風(fēng)に黒ずんだ顔よりも、垣の山吹よりも深く心に沁み込んで忘られぬものが一つある。

這家旅店原來好像是飯店,后來才改為旅店,二樓大廳十分寬敞,似乎與這個(gè)地方不太相稱。為了養(yǎng)病,我打算暫時(shí)住在那里,所以在樓下租下了掛著七號牌子的小房間。面臨蠻不錯(cuò)的庭院,庭院與桑田的邊界是船板圍墻,旅店的三色貓常來此睡午覺。如有風(fēng)吹來,墻外的柳樹迎風(fēng)招展。二樓沒有客人的時(shí)候,將大廳正中的椅子搬出去,一個(gè)人獨(dú)占著三十榻榻米面積的地方,眺望大海。右邊是染谷海岬,左邊是野井海岬,海面上可以看見鴻島,清晨和傍晚變幻著不同的色彩。從三時(shí)起漁船開始回港。黑潮沖洗了這個(gè)海灣,波濤被染成了濃濃的深藍(lán)色,隔海瞭望,夕陽生輝,盡染白帆,栩栩如生。景色真美,夜晚的漁歌使人好不寂寞,令我銘刻于心。剛來到這里時(shí),耳邊不斷地響起風(fēng)聲,夜里被濤聲驚醒,遠(yuǎn)處斷斷續(xù)續(xù)悲痛欲絕的歌聲使人感到凄涼,但聽?wèi)T了就也不感到苦了。如果住客心情平靜的話,就會感到一種脫離了商業(yè)氣氛的親切感和欣喜。在下雨不能去海邊的夜里,我時(shí)常被招呼去賬房閑談,不時(shí)還幫助辦理某個(gè)房客入住。旅館老板是一個(gè)六十多歲的女人,白天多半出海釣魚,旅店的事情似乎全都交給廚師兼領(lǐng)班辰先生一個(gè)人擔(dān)任。從海上回來后,將捕獲的東西在火上烤一烤,讓三只貓飽餐一頓。三只貓是三毛、小黑和小玉。半夜老太婆醒來時(shí),如發(fā)現(xiàn)缺少一只,就在家里奔走呼叫,不時(shí)也困擾到房客。我從這個(gè)老太婆那里聽說了各式各樣房客的圈內(nèi)秘聞。有盜賊化裝成巨商住宿的故事,有縣廳差役與漁民結(jié)成同黨干的壞事,大概就是這樣的故事,不用打聽就自己說出來了。其中不乏悲慘的故事。幾年前的夏天,曾住在二樓的一個(gè)人的年輕美貌的妻子,因肺病死去,臨終苦不堪言等等。這些事情如放在小說里面都是些陳腐舊事,可就那樣聽了,還真的催人淚下。這海濱雨夜閑話至今還留在我的心里,與此相比,與老太婆被海風(fēng)吹黑的臉相比、與籬笆墻邊的棣棠花相比,還有一件事深深銘刻在我的心中,使我久久不能忘懷。

宿の裏門を出て土堤どてへ上り、右に折れると松原のはずれに一際ひときわ大きい黒松が、潮風(fēng)に吹き曲げられた梢を垂れて、土堤下の藁屋根に幾歳の落葉を積んでいる。その松の根に小屋のようなものが一つある。柱は竹を堀り立てたばかり、屋根は骨ばかりの障子に荒莚あらむしろをかけたままで、人の住むとも思われぬが、內(nèi)を覗いてみると、船板を並べた上に、破れ蒲団がころがっている。蒲団と云えば蒲団、古綿の板と云えばそうである。小屋のすぐ前に屋臺店のようなものが出來ていて、それによごれた叺かますを並べ、馬の餌にするような芋の切れ端しや、砂埃すなぼこりに色の変った駄菓子が少しばかり、ビール罎びんの口のとれたのに夏菊などさしたのが一方に立ててある。店の軒には、青や赤の短冊に、歌か俳句か書き散らしたのが、隙間もなく下がって風(fēng)にあおられている。こう云う不思議な店へこんな物を買いに來る人があるかと怪しんだが、実際そう云う御客は一度も見た事がなかった。それにもかかわらず店はいつでも飾られていてビール罎の花の枯れている事はなかった。

我出了旅店的后門,爬上土堤,向右轉(zhuǎn)彎,松樹叢生的平原盡頭是一棵非常巨大的黑松,被海風(fēng)吹著,彎曲的樹梢垂落下來,土堤下的茅草屋頂上,積攢了陳年落葉。在這松樹的根部,有一間看似房子的陋室,僅靠移栽的竹子做立柱,房頂為僅剩骨架的拉窗以及覆蓋著的粗草簾子。我想不會有人住在這里吧,向里張望,只見在并排的船板上,扔著一床破爛不堪的被褥。如果說這也算是被褥的話,只能說是塞了舊棉花的被套罷了。小屋前面似乎搭建了一個(gè)飯攤,那里放著骯臟的草袋子,像馬的飼料似的芋頭的碎片,以及一些滾落在塵土中的變了色的雜糧點(diǎn)心,啤酒罐頭去了口,插著夏菊等花兒,朝著一個(gè)方向立著。小店的屋檐底下,藍(lán)色和紅色的長條紙上面胡亂涂寫著和歌還是俳句,不留間隙地垂掛著,隨風(fēng)飄動。像這樣不可思議的小店,我懷疑真會有人來買東西嗎?實(shí)際上我一次也沒見著有人來。不管如何,小店在那里擺設(shè)著,啤酒罐里的菊花也沒有凋謝。

 誰れにも訳のわからぬこの店には、心の知られぬ熊さんが居る。

自分は浜辺へ出るのに、いつもこの店の前から土堤を下りて行くから熊さんとは毎日のように顔を合せる。土用の日ざしが狹い土堤いっぱいに涼しい松の影をこしらえて飽き足らず、下の蕃藷畑ばんしょばたけに這いかかろうとする処に大きな丸い捨石があって、熊さんのためには好い安楽椅子になっている。もう五十を越えているらしい。一體に逞たくましい骨骼こっかくで顔はいつも銅のように光っている。頭はむさ苦しく延び煤すすけているかと思うと、惜しげもなくクリクリに剃りこぼしたままを、日に當(dāng)てても平気でいる。

在這家誰也不了解情況的旅店,住著尚未深交的熊先生。

我去海邊,經(jīng)常走過這家店前面的土堤,所以幾乎每天與熊先生碰面。伏天的陽光直射狹窄的土堤,完全吞沒了陰涼的松影卻還不滿足,正在往下面的番薯地里爬行,那里有大塊的圓形棄石,成為熊先生喜歡的安樂椅。他似乎已過了五十歲,總的來說有著強(qiáng)壯的骨骼,臉上經(jīng)常閃著古銅色的光。我原以為他的腦袋會骯臟不堪,涂滿煙灰,沒想到他不惜剃了個(gè)光溜溜的腦袋,被日頭照著也滿不在乎。

著物は何処どこかの小使のお古らしい小倉こくらの上衣に、渋色染の股引ももひきは囚徒のかと思われる。一體に無口らしいが通りがかりの漁師などが聲をかけて行くと、オーと重い濁った返事をする。貧苦に沈んだ暗い聲ではなくて勢いのある猛獣の吼聲のようである。いつも恐ろしく真面目な顔をして煙草たばこをふかしながら沖の方を見ている。怒っているのかと始めは思ったがそうではないらしい。いつ見ても変らぬ、これが熊さんの顔なのであろう。

他穿的是哪里的小差使穿的舊的小倉布上衣、淡茶色的圓筒褲子,使人聯(lián)想起囚徒。一般來說他總是沉默寡言,恰巧路過的漁民去向他打個(gè)招呼,得到的是一聲遲鈍而渾濁的回答“哦”。那不是對貧困生活逆來順受的陰郁聲音,而是氣勢十足的猛獸般的吼聲。他總是一副令人恐怖的樣子,一邊吸著煙,一邊向海面上瞧著。一開始以為他在發(fā)怒,不過也許不是。無論什么時(shí)候見了都不改變,這就是熊先生的表情吧。

(待續(xù))

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暴風(fēng)雨(下)

寺田寅彥

翻譯:王志鎬

開始時(shí)這不可思議的小店、不可思議的熊先生使我心存不快,不過習(xí)慣了就沒有這種感覺了。在松原以外有這樣的小店、有這樣的人住著是極其自然的事情,關(guān)于熊先生的歷史和這家旅店的來歷,我從不作任何想象,也沒有向人打聽的念頭。如果什么事也沒有就告別了的話,也許如今已將熊先生的事情都忘記了,可是由于發(fā)生了一件事,熊先生的面影至今還留在我的心里。

始めはこの不思議な店、不思議な熊さんを気味悪く思うたが、慣れてしまうとそんな感じもない。松原の外(はず)れにこんな店があってこんな人が居るのは極めて自然な事となってしまって、熊さんの歴史やこの店のいわれなどについて、少しも想像をした事もなく、人に尋ねてみる気も出なかった。もしこれで何事もなく別れてしまったら、おそらく今頃は熊さんの事などはとうに忘れてしまったかもしれぬが、ただ一つの出來事のあったため熊さんの面影は今も目について殘っている。

一天夜里起了風(fēng)暴,海邊波濤洶涌,翻江倒海。

一夜浜を揺がす嵐が荒れた。

風(fēng)暴前的傍晚,客人全無,我靠在昏暗的旅館二樓的欄桿,觀看海浪。從白天開始反常的云朵移動得越發(fā)快了,越來越朝北飛去。晚霞的顏色也與往常不同,帶著暗黃色,正讓人害怕時(shí)卻消失了。天色將暗,深鼠色的天空,斷斷續(xù)續(xù)的錦云如惡夢似的從無盡的浪濤那里襲來。大海深處一片漆黑,見不到一絲漁火。帶著濕氣的大個(gè)的星星在忽隱忽現(xiàn)的云朵的縫隙中閃爍。如果與往常一樣海上風(fēng)平浪靜,那么本來應(yīng)該是酷熱難熬的時(shí)刻,可是今夜格外濕潤的冷風(fēng)一陣又一陣地從堤下的桑田打著旋兒吹來,翻動昏暗的壁龕上的掛軸。我覺得草也好,樹也好,房檐下的風(fēng)鈴也好,仿佛都像眼睛看不見的鬼魂一樣而擺動著。

嵐の前の宵、客のない暗い二階の欄干に憑(もた)れて沖を見ていた。晝間から怪しかった雲(yún)足はいよいよ早くなって、北へ北へと飛ぶ。夕映えの色も常に異なった暗黃色を帯びて物凄いと思う間に、それも消えて、暮れかかる濃鼠(こいねず)の空を、ちぎれちぎれの綿雲(yún)は悪夢のように果てもなく沖から襲うて來る。沖の奧は真暗で、漁火(いさりび)一つ見えぬ。濕りを帯びた大きな星が、見え隠れ雲(yún)の隙を瞬(またた)く。いつもならば夕凪(ゆうなぎ)の蒸暑く重苦しい時(shí)刻であるが、今夜は妙に濕っぽい冷たい風(fēng)が、一しきり二しきり堤下の桑畑から渦巻(うずま)いては、暗い床の間の掛物をあおる。草も木も軒の風(fēng)鈴(ふうりん)も目に見えぬ魂が入って動くように思われる。

看得見海邊燃燒著的火堆,這是每天夜里的活計(jì),漁民將白天捕的松魚剖開來放在火上炙烤。火光撕破了海邊的黑暗,飛舞的烈焰美麗無比,在它周圍活動著的赤裸的人影歷歷在目,格外鮮明?;鹧骐S風(fēng)飄動,每次這樣搖曳,我總覺得很可怕。港口的陰影里停泊著的帆船舷燈的藍(lán)光被夸大地扭曲了,海岬上報(bào)警臺的紅燈暗淡的光亮映在波濤上。什么地方有人隔著風(fēng)聲在黑暗中發(fā)出“哦——伊”的喊聲。

浜辺に焚火をしているのが見える。これは毎夜の事でその日漁した松魚(かつお)を割(さ)いて炙(あぶ)るのであるが、浜の闇を破って舞上がる焔の色は美しく、そのまわりに動く赤裸の人影を鮮やかに浮上がらせている。焔が靡く度にそれがゆらゆらと揺れて何となく凄い。孕(はらみ)の鼻の陰に泊っている帆前船の舷燈の青い光が、大きくうねっている。岬の上には警報(bào)臺の赤燈が鈍く燈って波に映る。何処かでホーイと人を呼ぶ聲が風(fēng)のしきりに闇に響く。

我想暴風(fēng)雨就要來了,隨即下樓回到房間。在桌子前躺下,一邊聽著芭蕉葉拍打在防雨套窗上的聲音,一邊想著即將到來的海濱暴風(fēng)雨的壯大景觀。海水低聲模糊地吼嘯著從地底下奔襲而來。

嵐だと考えながら二階を下りて室(へや)に帰った。機(jī)の前に寢転んで、戸袋をはたく芭蕉の葉ずれを聞きながら、將(まさ)に來らんとする浦の嵐の壯大を想うた。海は地の底から重く遠(yuǎn)くうなって來る。

這樣寂寞的夜晚只能去帳房那里閑聊。老太婆在長火盆前打盹兒,三毛躺在她的膝蓋上。辰先生一邊小聲地哼著義太夫小調(diào),一邊處理著魚雜碎。女傭人的房間那邊透出歡樂的笑聲。與戶外的景色正好相反,這里像平時(shí)一樣平和。

こう云う淋しい夜にはと帳場へ話しに行った。婆さんは長火鉢を前に三毛を膝へ乗せて居眠りをしている。辰さんは小聲で義太夫を唸りながら、あらの始末をしている。女中部屋の方では陽気な笑聲がもれる。戸外の景色に引きかえて此処(ここ)はいつものように平和である。

以暴風(fēng)雨為由頭,老太婆說起了久遠(yuǎn)記憶中可怕驚人的暴風(fēng)雨,辰先生則在地板上隨聲附和。不知何時(shí)的一場狂風(fēng)暴雨,黑色波浪從超過一公頃的海灘沖刷過來,從根底上洗劫了松林叢生的平原。據(jù)那時(shí)見過波濤的人說,像霧又像煙的鬼火群乘著波浪搖搖晃晃,不可測的風(fēng)力煽動著無底的大洋,而圍著地軸而轉(zhuǎn)的海上暴風(fēng)雨,將人類的脆弱、渺小的本性暴露無遺,人心被吸引到幽冥的境界,也許這樣的東西是屢見不鮮吧。

嵐の話になって婆さんは古い記憶の中から恐ろしくも凄かった嵐を語る。辰さんが板敷から相槌をうつ。いつかの大嵐には黒い波が一町に余る浜を打上がって松原の根を洗うた。その時(shí)沖を見ていた人の話に、霧のごとく煙のような燐火(りんか)の群が波に乗って揺らいでいたそうな。測られぬ風(fēng)の力で底無き大洋をあおって地軸と戦う浜の嵐には、人間の弱い事、小さな事が名殘(なごり)もなく露(あら)われて、人の心は幽冥の境へ引寄せられ、こんな物も見るのだろうと思うた。

狂風(fēng)又添上暴雨,越來越厲害了,波濤聲漸漸近了。

嵐は雨を添えて刻一刻につのる。波音は次第に近くなる。

回房間時(shí),穿過通到二樓的梯子臺階下面的披間,雞窩里的雞還在窸窸窣窣,似乎無法入睡,凄涼地格格啼叫著。我鉆到被褥里傾聽著,松樹的樹梢也好,墻根的竹子也好,都發(fā)出持久而銳利的叫聲。在這樣的夜晚,波濤中有死去的人們的靈魂,乘風(fēng)破浪,漂流而來,放聲悲鳴,想起剛才關(guān)于鬼火的故事,我將頭用力地隱藏在睡衣的袖子中。盡管如此,風(fēng)聲還是追蹤而來,拍著防雨套窗,真是可怕。

室へ帰る時(shí)、二階へ通う梯子段(はしごだん)の下の土間(どま)を通ったら、鳥屋(とや)の中で鷄がカサコソとまだ寢付かれぬらしく、ククーと淋しげに鳴いていた。床の中へもぐり込んで聞くと、松の梢か垣根の竹か、長く鋭い叫び聲を立てる。このような夜に沖で死んだ人々の魂が風(fēng)に乗り波に漂うて來て悲鳴を上げるかと、さきの燐火の話を思い出し、しっかりと夜衣(よぎ)の袖の中に潛む。聲はそれでも追い迫って雨戸にすがるかと恐ろしかった。

狂風(fēng)又添暴雨,越來越厲害,波濤聲漸漸近了。

嵐は雨を添えて刻一刻につのる。波音は次第に近くなる。

天亮方才風(fēng)平浪靜,雨也止了,不過波濤的聲音越發(fā)高漲。

明方にはやや凪(な)いだ。雨も止んだが波の音はいよいよ高かった。

起床后馬上去看海濤,向房后的土堤出發(fā)。

起きるとすぐ波を見ようと裏の土堤へ出た。

熊先生的小屋被毀壞得不像樣子。防雨的粗草簾子飛到了向遠(yuǎn)處堤壩下,竹子立柱已經(jīng)傾倒,裝飾房檐的長紙條在雨水的拍打下與松樹的青葉一起散落一地。啤酒瓶里的花、芋頭的切片一片散亂,熊先生的被褥都被淋得濕透了。我到處尋找熊先生,卻哪里都見不到他的身影。

熊さんの小屋は形もなく壊れている。雨を防ぐ荒筵は遠(yuǎn)い堤下へ飛んで竹の柱は傾き倒れ、軒を飾った短冊は雨に叩けて松の青葉と一緒に散らばっている。ビール罎の花も芋の切れ端も散亂して熊さんの蒲団は濡れしおたれている。熊さんはと見廻したが何処へ行ったか姿も見えぬ。

懷著惻隱之心,我下了海堤,走向海邊。沙田里的白薯的藤蔓被攪亂了,一片荒蕪,暴風(fēng)雨的余波將白色的葉子翻轉(zhuǎn)過來。海上還是一片昏暗,破碎的雨云之尾垂掛在鴻島上方,與從海岸登陸的潮霧混為一體??拷a档膸r石之間奔騰的波濤,就像一頭披散著白色鬃毛的狂暴的銀毛獅子。暗綠色的渾濁的波濤洗刷著沙灘,將沖上岸的海藻揉得粉碎。無數(shù)海蜇被沖到五色的細(xì)沙上,閃著美麗的光。

惻然(そくぜん)として浜辺へと堤を下りた。砂畑の芋の蔓は掻き亂したように荒らされて、名殘の嵐に白い葉裏を逆立てている。沖はまだ暗い。ちぎれかかった雨雲(yún)の尾は鴻島の上に垂れかかって、磯から登る潮霧と一つになる。近い岬の巖間を走る波は白い鬣(たてがみ)を振り亂して狂う銀毛の獅子のようである。暗緑色に濁った濤(なみ)は砂浜を洗うて打ち上がった藻草をもみ砕こうとする。夥(おびただ)しく上がった海月(くらげ)が五色の真砂(まさご)の上に光っているのは美しい。

飛濺的水珠濺入寬松睡衣的胸前,我打了個(gè)冷戰(zhàn),偶而向炮臺所在方向看去,只見一個(gè)人影隱隱約約蹲在潮霧中的海灘上,一看就知道是熊先生。他那柿色的圓筒褲外沒有穿小倉布上衣,正在收集昨夜被暴風(fēng)雨刮走的木板片。我下意識地向他的方向走去。他古銅色的臉像往常一樣,專心致志地在海藻中搜尋著,臉上看不到一絲憂愁的影子。他沒有注意到我的靠近,一門心思將拾到的東西向沙灘的高處投去。即使潮水逼近腳邊也是一副無所謂的樣子,連不時(shí)濺到頭上的浪花水珠也不擦一下。

寛(くつろ)げた寢衣(ねまき)の胸に吹き入るしぶきに身顫(みぶる)いをしてふと臺場の方を見ると、波打際(なみうちぎわ)にしゃがんでいる人影が潮霧の中にぼんやり見える。熊さんだと一目で知れた。小倉(こくら)の服に柿色の股引(ももひき)は外にはない。よべの嵐に吹き寄せられた板片木片を拾い集めているのである。自分は行くともなく其方(そっち)へ歩み寄った。いつもの通りの銅色(あかがねいろ)の顔をして無心に藻草の中をあさっている。顔には憂愁の影も見えぬ。自分が近寄ったのも気が付かぬか、一心に拾っては砂浜の高みへ投げ上げている。腳元近く迫る潮先も知らぬ顔で、時(shí)々頭からかぶる波のしぶきを拭おうともせぬ。

那些不知從何處海灘隨波漂流而來的木板片,都有著過去的歷史,波濤將它們埋葬了,讓人見識到悲慘的結(jié)局。誰也不認(rèn)識的熊先生,半生無依無靠,已經(jīng)從人們的心中被遺忘了。他為了給自己不久將來的墳?zāi)苟鴵炱鹌鞯哪景?、那凄慘的身影深深刻在我的心中。

何処の浦辺からともなく波に漂うて打上がった木片板片の過去の歴史は波の彼方に葬られて、ここに果敢(はか)ない末を見せている。人の知らぬ熊さんの半生は頼みにならぬ人の心から忘られてしまった。遠(yuǎn)くもない墓のに流木を拾うているこのあわれな姿はひしと心に刻まれた。

以這個(gè)壯觀的自然場面作為背景,加上這個(gè)無所欲望的熊先生,見到這個(gè)場景的剎那間,我的心中百感交集,無法下筆,不知用什么詞語來表達(dá)。

壯大なこの場の自然の光景を背景に、この無心の熊さんを置いて見た剎那(せつな)に自分の心に湧いた感じは筆にもかけず詞(ことば)にも表わされぬ?!?/p>

回到宿舍,女傭八重正在打掃房間。 “熊公公的府上倒塌了?!彼贿呎f,一邊疊睡衣?!班耍挚蓱z的那個(gè)人,他老婆在的時(shí)候,他可不是這樣啊?!彼袷歉型硎芩频模锌卣f道。我對此無言以對,只是依靠著走廊的立柱,呆呆地眺望著暴風(fēng)散去后白云浮現(xiàn)的天空。

? ? ? ? ? (明治三十九年十月《杜鵑》)? ?

宿へ帰ったら女中の八重が室の掃除をしていた?!感芄斡窑悉膜证欷剖宋瑜盲郡琛工仍皮盲郡?、寢衣を畳みながら「マア可哀相にあの人も御かみさんの居た頃はあんなでもなかったんですけれど」と何か身につまされでもしたようにしみじみと云った。自分はそれに答えず縁側(cè)の柱に憑れたまま、嵐も名殘と吹き散る白雲(yún)の空をぼんやり眺めていた。

? ? ? ? (明治三十九年十月『ホトトギス』)

①町:距離單位,1町約為109.09米。

②黑潮:日本近海最大的海流,屬于暖流,沿日本諸島的太平洋海岸向東北流動,海流呈深藍(lán)色。

③詩箋:短冊(たんざく)。寫和歌、俳句等用的窄長條厚紙。

④景石:捨石(すていし)。日本庭院中,為了增添風(fēng)致而在各處散置的石頭。

⑤義太夫:即凈琉璃。

⑥町:在這里不是距離單位,而是面積單位。1町約為0.99公頃。

⑦炮臺場:日本為進(jìn)行海岸防御而設(shè)在海岸附近的炮臺。

(完)

2009.3.14.

2024.3.31.

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